朝鮮に帰国した元在日朝鮮人の境遇の問題
張明秀(チャン・ミョンス)
『北朝鮮 裏切られた楽土』(初出 講談社、1991;1998、講談社文庫として改訂増補)
在日朝鮮人を「地上の楽園」として賛美して北朝鮮に積極的に送り込んだ総連幹部が、流刑・強制収容所国家
としての祖国の実態を知って、自責の念にとらわれ、総連の帰国事業とその推進者たちを告発した書物。
鄭箕海 (Chling Ki Hae)
『帰国船』(文芸春秋社、1995)
日本から北朝鮮に帰還し、強制収容所に入れられ、にち脱北に成功した朝鮮人の体験記録。
李英和
北朝鮮に「帰国」した在日同胞の悲惨な運命を綴り、帰国運動を推進した朝鮮総連の責任を追及。
北朝鮮の別働隊としての朝鮮総連
野村 旗守
『北朝鮮 送金疑惑』 解明・日朝秘密資金ルート(初出 東洋経済新報社、1999;2002、
文春文庫として改訂増補)
金正日体制を支える資金が、日本国内で、地上げや脱税や、意図的な不良債権づくり+公的資金投入などの手段で調達さ
れ、不法に北に送られる様子を、みずからの調査にもとづいて記している。
ハン・グアンヒ
『わが朝鮮総連の罪と罰』(2002)
著者は元朝鮮総連の幹部。「学習組」というカムフラージュのもとで朝鮮総連内部で暗躍する朝鮮労働党の
在日秘密支部のメンバーとして活躍。北朝鮮の工作船の日本接岸地点(38カ所、図面あり)の確保、工作船でのみずからの密
出入国、対韓国工作、巨額の資金の北朝鮮への送金の任務などを赤裸に告白している。著書の刊行に先だって、ハン氏にたい
するインタビューが2000年、「サンデープロジェクト」で放映された。「朝鮮新報」は、「南朝鮮の情報員の手先として引き
込まれたハン・グアンヒ」というヒステリックな記事を発表した。ハン氏の内部告発の信憑性を示すものである。著者は知っ
ている事実のすべてをまだ語りつくしてはいない。もしかすると、日本人の拉致工作にも関与しているかもしれない。ともあ
れ、朝鮮総連の活動実態の徹底究明が不可欠であることを感じさせてくれる告発書である。